loading

IN CLUB ING 9GATES

クラシックのすゝめ 其の四

9 MAGAZINE

クラシックのすゝめ 其の四

2025.11.28

皆さん、お久しぶりです。 25 Rookie SL Hatakeyamaです!

,

前回は、「クラシックのすゝめ 其の三」にて、カプスーチンの『トッカティーナ Op.36』をご紹介させていただきました。

クラシックのイメージを覆す、あのマシンガンのような超絶技巧、楽しんでいただけたでしょうか?(笑)

,

さて、今回は、がらっと雰囲気を変えて、少し不気味で、しかし最高に情熱的な「フランス・ロマン派」の世界へご案内します!

4曲目(と5曲目)は、サン=サーンス作曲の『死の舞踏』と『序奏とロンド・カプリチオーソ』です!

,

1,死の舞踏 & 序奏とロンド・カプリチオーソ

まずは曲の説明です。今回は豪華2本立てでいきます!

,

① 死の舞踏

まず『死の舞踏』。この曲は、フランスの詩に基づいた「交響詩(詩や物語を音楽で表現した曲)」です。

,

物語は「ハロウィンの夜中12時。墓場から骸骨たちが現れ、不気味な宴(ダンス)を繰り広げ、朝を告げる鶏の声と共に墓へ帰っていく」というもの。 …もう設定だけでワクワクしませんか?(笑)

この曲の主役はヴァイオリン。このヴァイオリンが死神役を演じます。

注目してほしいのは、死神が登場する冒頭のソロ・ヴァイオリン! 「ラ→ミ♭」という不協和音を奏でるのですが、これは中世ヨーロッパでは悪魔の音程と呼ばれ、忌み嫌われていた響きなんです。

さらに、死神はわざと調弦(チューニング)を狂わせたヴァイオリンを弾き、骸骨たちが踊り出すと、ヴァイオリンの弓の木の部分で弦を叩き、「カツカツカツ!」という音を出します。 そう、これこそが骸骨同士がぶつかり合う音を表現しているんです!

,

ただ、この曲が面白いのは、そんな不気味さ一辺倒ではないところ。 曲の途中では、いかにも「おフランス」といった感じの、優雅で美しいワルツのメロディーもふんだんに盛り込まれているんです。 恐怖と優雅さが入り混じって、まるで死に魅了されてしまったかのような…そんな不思議な気持ちにさせられる曲なんですよ(笑)。

,

② 序奏とロンド・カプリチオーソ

そして『序奏とロンド・カプリチオーソ』。 こちらは『死の舞踏』とは打って変わって、人間の情熱そのものを描いたような曲です!

,

まず、曲は哀愁を帯びたメランコリックな「序奏」から始まります。ここでヴァイオリンは歌うように、聴いているこちらの感情を揺さぶってきます。 この序奏でじっくりと感情をタメておいてから、一気にスペイン風の情熱的なリズムを持つ「ロンド(主題が何度も繰り返される形式)」へと突入します!

この構成がニクいですよね(笑)。

哀愁と情熱が交互に現れ、ヴァイオリンの歌心超絶技巧の両方がこれでもかと詰まった、緩急の差がたまらない名曲です。

,

  「あれ、この曲どこかで…」と思われたそこのあなた!

実はこの曲、大人気漫画・アニメ『四月は君の嘘』で、主人公たちがコンクールで演奏した、非常に印象的な曲なのです!

  (ここからは完全に私個人の好みですが笑) 私がこの曲で一番好きなのは、コーダ(フィナーレ)にかけての部分!

息つく暇もないほどの高速な16分音符の波が押し寄せる中、ソロヴァイオリンと伴奏(オーケストラやピアノ)が火花を散らすように掛け合いをするところが、本当にスリリングで最高なんです!

,

『四月は君の嘘』のアニメでも、この部分がソリスト同士の主旋律の奪い合いとして、最高にカッコよく表現されていましたよね!

,

2.フランス音楽界の「万能の天才」:サン=サーンス

さて、これら2曲を作ったのは、フランスの作曲家、カミーユ・サン=サーンス。

,

  彼は幼少期から神童として知られ、なんと2歳でピアノを弾き始め、3歳で作曲をしたという、とんでもない経歴の持ち主です(笑)。

その才能は音楽だけにとどまらず、詩、天文学、数学、哲学にも精通した、まさに「万能の天才」。   音楽界での彼の立ち位置は、フランス音楽の伝統を守る重鎮といったところでしょうか。

彼はドイツ音楽(ベートーヴェンやワーグナーなど)が席巻していた当時、「フランス独自の音楽を復興させよう!」と奮闘した第一人者なのです。

彼の音楽は、非常にロマンティックで情熱的でありながら、どこか冷静で知的な構成美も併せ持つのが特徴ですね!!

,

【余談】今回紹介した2曲、実はどちらも「オーケストラ伴奏版」と「ピアノ伴奏版」が存在します。 元々はオーケストラとヴァイオリン・ソロのために書かれたのですが、サン=サーンス自身(や他の作曲家)がピアノ伴奏用に編曲しているのです。 オーケストラ版の壮大なスケール感も最高ですが、ピアノ版の、よりソリストの技巧と息遣いが際立つスリリングな演奏も、また違った魅力があってオススメですよ!

,

  3.引き継がれる演奏 その4

では、最後に私一推しの演奏をご紹介して終わりにします!

ずばり、服部百音さんの演奏になります!

,

彼女の演奏を聴くと「この人はパガニーニの生まれ変わりか…?」と本気で思ってしまいます(笑)。

(※「其の二」参照! パガニーニは「悪魔に魂を売った」と言われた超絶技巧のヴァイオリニストです!)

,

彼女の演奏は、とにかく鬼気迫るの一言。

特に『死の舞踏』で見せる、まるで死神が乗り移ったかのような表現力と、正確無比な超絶技巧。『序奏とロンド・カプリチオーソ』で爆発させる、聴いているこちらの心臓が締め付けられるような情熱。 サン=サーンスが楽譜に込めた「物語」や「情熱」を、一切の妥協なく、全身全霊で音に叩きつけてくれるヴァイオリニストだと私は思います!

,

【またまた余談】服部百音さんは、作曲家・服部良一さんを祖父に、服部克久さんを父に持つ、まさに音楽界のサラブレッド。 しかし、彼女が若くして世界的な評価を得ているのは、そんなバックグラウンドを抜きにして、彼女自身の圧倒的な才能と、音楽への執念とも言えるほどの表現力があるからこそ、なんですよね!

,

  気になった方は是非!一度彼女の演奏を聞いてみてくださいね!

本演奏のYoutubeを見る (序奏とロンド・カプリチオーソ)

,

今回もつい熱が入り、想像以上の文量になってしまいました(笑)。

続きは「クラシックのすゝめ 其の五」にて、改めてたっぷり語らせていただきます。

,

次回は「ピアノの詩人 ショパン」の予定です。

それでは皆さん。またお会いする日までお元気で。

,

過去の記事はこちら

「クラシックのすゝめ 其の三」

「クラシックのすゝめ 其の二」

「クラシックのすゝめ 其の一」

,

,

SL Hatakeyama

tag