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T-seventy -T70 そしてT70へ(後編)

9 MAGAZINE

T-seventy -T70 そしてT70へ(後編)

2024.10.21

3階の住居部分を解体し終える。
元々鉄骨づくりの正方形のパイプスペースは変更が容易なので、レイアウトは自由に設定することができた。瓦の屋根はガルバリウムに変更して、内装に関しては既存天井も全て撤去した。既存の天井から上にかなりスペースがあったので一部は開放し、リビングは天高を十分に取り、他の部屋はロフトをつくることができた。

量産型の建具もサインを施すと雰囲気が出る

パースだとのっぺりとするものの施工イメージとしては使える

イメージパースって大抵実物より良く見えることが多いけど、T70に関しては実物の方がはるかに良く仕上がっている。建物自体が古い場合、リノベーションする際にあまり新しく整えて作り変えてしまうと元の建物との差異を強調してしまうので、例えば白でもあまり明るい白などは使わないようにすることで、躯体とのギャップを抑えることができる。

廊下のクロスにペイントを施したもの

宮崎デュアルライフで仲良くなったサーファーや飲食店の仲間が、夜にだんだんと集まってくるようになってきた。男性好みではあるけれど、ガレージに対する憧れとかを詰め込んで、少しづつ作っていくことができている。

卓球台にもオリジナルのペイント

東京でマンションを建設するときに使うタイル屋さん、雑貨屋さん、いつかやってみたいと思っていた床の加工、サンディエゴで見つけたLEDサイン、やりたいことを全部詰め込んで。

千駄木の駅近く、道灌山下にマンションを作った時、経験と想像力不足で窓をつくらなかったことを、今でも後悔している。そもそも必要以上に多く窓をつくりたがらない僕ではあるが、窓から何を見たいのか?何を見せたいのか?不必要なのであれば壁にした方がいいと判断することも少なくない。今回キッチン奥に窓を作りたかった理由、それは

これだ。
ベランダ沿いの窓際に置いたブランコみたいな椅子に座ってキッチンの方をみると、椰子の木だけが窓に入る。実際には、交通看板とかフェリー乗り場の案内とかが在るけれど、この椅子に座ってみると椰子の木しか目に入らない。椰子の木を見るためのフレームになる。

浅草、大好きなふぐの牧野さんとか料理道具の釜浅商店さんがある松ケ谷というところに作ったLOG  ASAKUSA CLASSICの目の前には小さな公園がある。
公園を見下ろすテラスはなんと7平米ある。25平米の1Kマンションに7平米を超えるテラス(バルコニー)を造った。いい季節の夜、仕事から帰ってきた時にちょうど見えた月を眺めながらビールを飲んで欲しいなーとか、土曜の朝にテラスに置いた椅子でコーヒーを飲んで欲しいなーとか、色んな住み手の生活を思い描きながらマンションをつくっている。僕は住み手の生活をシーンで思い描く。そのシーン、そのシーンにおける、人々の感情や思いみたいなことを想像しながらマンションをつくる。それがとても好きだ。